農業との出会い
農業との出会いは、地元の直売所で並ぶ野菜を見る中で始まりました。おばあちゃんたちから聞く温かい話や、実際に畑で作業させてもらった体験が、食に対する見方を大きく変えてくれました。それまで会社員として日々の食事を「食べるだけ」だった自分にとって、「食材がどう育まれているのか」「農家さんの想いが込められた食べ物の豊かさ」に触れたことで、食べることの意味が何倍にも膨らんだのです。
ですが、その反面で気づいたことがありました。それは、「本当に美味しい食べ物が、世間にはなかなか正しく伝わっていない」という現実です。そこで、大阪の有名な農家さんのもとに修行に行き、実際に農業の現場で経験を積むことを決意しました。現場で「美味しい」と感じる理由を知り、農業の一つひとつの作業に込められた努力や思いを体感したことで、いよいよ「農業を正しく伝えたい」という思いが強くなりました。
農業カメラマンとしての活動
現在、私は農業カメラマンとして活動し、農家さんや地域の魅力を伝える仕事に力を注いでいます。特に、いなべ市の直売所での広報活動を通じて、写真や動画、料理、さらには体験型イベントなど様々なアプローチで農業の素晴らしさを伝えてきました。
この活動では、農家さんが育てた作物だけでなく、食べ物が人に与える喜びや楽しさ、さらにはその地域に生きる人々の誇りやこだわりまでも届けたいと考えています。これまでに培った知識と技術を生かし、農業の「見えない部分」をどうやったら消費者に届けられるかを常に模索しています。農業の現場に触れ、地元の食材の可能性を引き出す仕事には、日々新たな発見とやりがいを感じています。
農業の未来と地域の発展へ
今後は、さらに多くの人が農業の魅力を理解し、食の本当の価値を感じられる時代を作っていきたいと考えています。そのために、プランターでの栽培を広め、初心者でも気軽に農業に触れられる機会を提供し、自宅で育てた野菜を使った料理やBBQの楽しみ方を伝える教室も開いています。自分で育て、味わう喜びを通じて、もっと「食」に関心を持ってもらいたいのです。
さらに、食品ロスの課題にも取り組んでいます。食材の短い保存期間や供給過多による廃棄問題を減らすため、低温熟成や乾燥といった技術の研究を進めています。最終的には「熟成農業レストラン」を開き、使われなくなったトンネルや空き地を再活用して、地域活性化と新しい価値創造を目指したいと考えています。sio.studioを通じて、農業の本当の魅力を形にし、多くの人とその素晴らしさを共有できる未来を創っていきます。
最後に
農業は私にとって、ただの仕事ではなく、人々に「食」を通じて幸せを届けるライフワークです。sio.studioとして、どんな形でも農業や食の魅力を伝え、人と人、地域と地域をつなげる役割を果たしていきたいと考えています。最後まで読んでいただき、ありがとうございます。これからも農業の未来に貢献し、皆様と一緒に歩んでいけることを願っています。